コロナ前後でどう変わった?私たちの国内旅行費用の比較と最新事情

コロナ前後でどう変わった?私たちの国内旅行費用の比較と最新事情
マネーケア

新型コロナウイルスが猛威をふるった2020年以降、海外はもとより県外への移動にも自粛ムードが広がり、需要が下がってしまった国内旅行。それから2年あまりが経過し、徐々に国内旅行へ出かける人が増えているようです。また、2022年10月から始まった全国旅行支援の後押しもあり、これからの盛り上がりが期待されます。コロナ禍を経て復活の兆しを見せる国内旅行の費用比較と最新情報についてまとめました。

コロナ前後、私たちの国内旅行はどう変化した?

コロナ禍では、県をまたぐ移動の自粛やイベントなどの開催制限など、感染拡大を防ぐためにさまざまな措置が取られ、日本国内の旅行にも影響を与えました。コロナ前後で国内旅行がどのように変化しているかを見ていきましょう。

国内旅行に出かける人の数は大きく減少

コロナ前は週末や連休になると、人気の観光地は人で溢れかえっているという状況をよく目にしました。しかしコロナ後はすっかり閑散としてしまった人気スポットも少なくありません。入国制限で外国人観光客が激減した影響だけでなく、背景には、国内旅行をする日本人の減少もありました。

<日本人国内のべ旅行者数>

参考:観光庁「旅行・観光消費動向調査 2021年年間値(確報)」

観光庁が2022年4月に発表した「旅行・観光消費動向調査 2021年年間値(確報)」では、2021年の日本人国内のべ旅行者数は、2億6,821万人。コロナ前の2019年と比較すると、半数以下、約54.3%も減少しています。

国内旅行にかける費用の比較

国内旅行の機会が少なくなり、旅行支出にも変化が見られるように。コロナ前後での旅行支出を比較してみましょう。

<日本人国内旅行の1人1回あたり旅行支出(旅行単価)>

参考:観光庁「旅行・観光消費動向調査 2021年年間値(確報)」

観光庁の「旅行・観光消費動向調査 2021年年間値(確報)」では、日本人が宿泊を伴う国内旅行で消費した1人あたりの額は、2019年が5万5,054円であるのに対し、2021年は4万9,323円でした。コロナ前後を比べると、1泊以上の国内旅行では旅行消費額が10.4%減少しています。

一方、国内の日帰り旅行では、2019年が1万7,334円に対して2021年は1万7,328円と、それほど差がありません。

1泊以上の国内旅行消費額が大きく減少したのに対し、日帰り旅行の消費額に大きな違いはありませんでした。これには、宿泊に伴う費用の減少や移動距離の変化が関係しているといわれています。理由として人が多く集まる旅館やホテルでの宿泊、長距離移動の手段である航空機や新幹線などの利用が少なくなったことが挙げられます。

大型連休の国内旅行者数はとくに減少

コロナ後の国内旅行者数は全体的に減少していますが、旅行時期については具体的な違いがあるのでしょうか。

<2021年における曜日別国内旅行者の増減率(2019年比)(47市区着地)>

参考:観光庁の「令和4年観光白書」 11ページ

観光庁の「令和4年観光白書」によると、2021年の年末年始やお盆、ゴールデンウイークなどの大型連休には、2019年と比較して70.8%~74.3%減であるのに対して、その他の休祝日は64.4%減と、10%ほどの差があります。コロナ後は、大型連休の混雑を避けて旅行するようになったといえるでしょう。

国内旅行費用の内訳は?コロナ前後で比較!

国内旅行にかかる費用の中でも、メインの支出となる宿泊、交通、パッケージツアー代金を比較して、コロナ前後での違いを確認しましょう。

宿泊代、ツアー代は微増、交通費は大幅減!

前項で、国内旅行にかかる総費用について比較しましたが、こちらではその内訳について説明します。

<1回の宿泊旅行にかかった費用 (大人1人あたり)単位は円>

参考:じゃらん宿泊旅行調査 2022【旅行市場動向編】4ページ

このように、宿泊代は1万7,500円から1万9000円の1,500円増、パッケージツアー代金は5万5,500円から5万6,300円の800円増に対して、交通費は1万6,000円から1万3,600円と2,400円ダウンしています。

国内旅行では交通費にかける費用は減少。実際の運賃は?

実は、航空運賃はここ数年で値上がり傾向。JRの運賃は2019年から据え置きとなっています。コロナ前の現在の運賃相場を比較しているので参考にしてみてください。

<羽田~那覇行き片道航空運賃をコロナ前と現在で比較>

2019年の羽田から那覇行き片道航空券運賃は、日本航空(JAL)、全日空(ANA)ともに3万931円でした。2022年現在はJALが4万6,600円、ANAが4万6,300円となっています。この数年で大幅に値上げしているのが分かります。

<東京~名古屋のJR片道運賃をコロナ前と現在で比較>

現在、新幹線のぞみ東京-名古屋間は運賃6,380円+指定席特急料金4,920円、片道合計11,300円です。
JRでは、2019年10月の消費税増税に伴い値上げされて以降、現在まで変更はありません。

交通費は値上がり、または据え置きにも関わらず、私たちが国内旅行にかける交通費の支出は減少しています。近年の国内旅行が交通費のかかる遠方から近場へシフトしていることが関係しているのではないでしょうか。

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mamiko

映画好きでグルメな1児のママ。 学生時代は映画館スタッフ、社会人になってからは大手旅行会社での営業職。 国内外問わず旅行好き。バックパックでの一人旅も経験し...

プロフィール

監修者: 千見寺 拓実

株式会社インヴァランス 1994年生まれ。静岡大学卒業。2017年に株式会社インヴァランスに入社。 2級ファイナンシャルプランニング技能士

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