全額返ってくる?!知らないと損する引っ越しの敷金返還
いざ引っ越し、でも契約時に払った敷金はちゃんと返って来るのか不安を覚える人も多いのです。
ここでは引っ越しの敷金返還について、さらに差し引かれた金額に納得がいかない場合の対処法についてご紹介していきます。
敷金とは?
敷金とは、契約期間中に家賃が払えなくなった場合や、急にいなくなってしまった場合を想定して、契約時に支払うお金のことです。平均で家賃の1ヶ月分が目安となっています。
さらに敷金は退去時に戻って来るお金です。その時にハウスクリーニング代などを差し引いた金額が返還されます。退去から平均で2ヶ月ほどで戻ってきます。
敷金から引かれるものとは?
一般的にはハウスクリーニング代・修理費などがあります。一番争われるのがハウスクリーニング代です。退去時にどんなに掃除していても差し引かれます。これは入居時の契約の特約事項で、ハウスクリーニング代は部屋を借りている人が負担するということが謳われているからです。しかし国土交通省のガイドラインでは、きちんと掃除がされていたのであれば、ハウスクリーニングの特約事項があってもその費用負担をしなくてもよい可能性があります。ここでは東京都の「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」を基に、よく争点となる部分をどちらが負担するのかをまとめてみました。
壁
大家負担:日焼けなどによるクロスの変色、画びょうなどの穴
借主負担:結露によるカビ・シミ、クギ・ネジの穴
床・畳
大家負担:家具の設置による床やカーペットの凹み
借主負担:飲み物をこぼしたことによるシミ・カビ、タバコによる焼け焦げ
詳しくは東京都都市整備局のサイト「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」
http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp
敷金を返してもらう方法
明らかに掃除がされているのにハウスクリーニング代・修理費などの名目で差し引かれているなどが発覚したら、以下の方法で異議を申し立てましょう。
大家さんに直接連絡する
敷金については不動産管理会社へ連絡することになっていますが、大家さんにも連絡をしましょう。
不動産会社へ連絡しても、大家さんに連絡がいかないケースもあります。大家さんの連絡先は必ず契約書に記載されています。
内容証明を利用する
いつ、どのような内容の文書を誰が誰に出したかを、郵便局が証明する制度です。
この内容証明を出せるのはすべての郵便局ではありませんので、事前に確認しておきましょう。手紙3通(内容が同じもの)、発送に使う封筒、印鑑、内容証明の利用料金が必要です。
敷金返還代行業者に頼んでみる
敷金の返還で困っている人はたくさんいます。そこでこの敷金返還を専門に扱っている業者もあるほどです。
自分ひとりで返還請求ができそうにないなと思ったら、相談して利用するのもよいでしょう。
少額訴訟を起こす
内容証明を送っても一向に応答がない場合、少額訴訟を起こすことも検討してみましょう。
訴状を出してから通常は1~2ヶ月後に審理、1回で判決が出ます。通常の裁判よりも早く敷金を取り戻すことが可能です。
以下は裁判所の敷金返還請求の書式や記載例についてのサイトになります。
http://www.courts.go.jp
また訴状を出す裁判所は相手方の住所地を管轄する簡易裁判所になります。以下のサイトで確認してください。
http://www.courts.go.jp
退去時のクリーニング代は差し引かれて当然だと思われていますが、実はそうではないのです。
納得ができない場合は、ここでご紹介した方法を実行してみてください。