【Z世代のマネー学】自分に合ったポートフォリオとは?自分のリスク許容度はどれくらい?

自分に合ったポートフォリオとは?自分のリスク許容度はどれくらい?
マネーケア

銀行にお金を預けても、お金はほとんど増えません。ミレニアル世代・Z世代と呼ばれるみなさんがこれからお金を増やしたいならば、投資をすることが欠かせません。

投資をするときに大切なのは、自分のお金をひとつの資産に集中させるのではなく、複数の資産に分散することです。このときの資産の組み合わせのことをポートフォリオといいます。
今回は、自分に合ったポートフォリオの考え方を紹介します。
▶︎前回:金融商品の特徴と、リスク、リターンを教えて!

ポートフォリオのリスクとリターンは組み合わせた資産で決まる

預貯金・債券・投資信託・株式・FX(外国為替証拠金取引)…お金を増やす金融商品・投資の方法はたくさんあります。

前回お話ししたとおり、リスクとリターンはトレードオフ(比例)の関係にあります。リスクが低ければリターンが小さくなり、リスクが高ければその分リターンも大きくなります。そして、どれを選ぶかによって、リスクとリターンは変わります。

この関係をグラフで表すと、以下のようになります。

主な投資のリスクとリターンの関係

金融商品のリスクとリターンの関係
※一般的なイメージ図
筆者作成

預貯金はご存じのとおり、銀行にお金を預けるものです。お金の出し入れが自由な普通預金や、一定期間引き出すことのできない定期預金などがあります。
これらは、預けている限り額面金額が減ってしまうことはありません。しかも、金融機関に万が一のことがあっても、1000万円とその利息までは元本が戻ってきます(ペイオフ)
一方で、大手銀行の預金金利は現状年0.001%などと非常に低い状態ですので、お金を預けていても全然増えません。つまり、リスクもリターンも極端に低いのです。もちろん、インフレ下では、実質的にお金が減りますので必ずしも安全な資産とも言えません。

債券は国や会社がお金を借りたときに発行する「借用証書」のようなもの。「いつまでにいくら返す」と書いた債券を買うことで、国や会社にお金を貸すことができます。
債券を買い、持っている間には利息が受け取れます。また、満期がきたらお金を返してもらえます。たとえば日本の国債のうち、個人向け国債は最低でも年0.05%の金利が保証されています。個人向け国債は預貯金と比べれば、預貯金よりもリスクを低くしながら、預貯金よりもリターンが高い商品となります。

ただし、債券を発行した国や会社(発行体)が万が一破たんするようなことがあると、元本が返ってこない可能性があります。また、外国債券であれば為替リスクもあります。為替リスクがあるということは、為替の値動きによりお金を失う可能性があるということ。その点で、外国債券や国内の社債はリスク・リターンは預貯金よりは高いといえます。

株式も、株式会社がお金を集めるために発行するものです。株式は、証券市場で売買されており、日々値動きしています。これを売買することで、利益を狙うのが株式投資です。
株式を買ったときより売るときの方が値上がりしていれば、その差額分が利益になります。しかし逆に、売るときの方が値下がりしていれば、その差額分が損失になります。
中には投資したお金の何倍にも成長する株式(銘柄)も、破たんして価値がゼロ同然になってしまう銘柄もあります。ですから、リスク・リターンは債券よりも高くなります。

そしてFXは円とドル、ドルとユーロなど、異なる2つの通貨を交換(売買)することで利益を目指す投資です。たとえば1ドル=105円のときに105円で1ドルを買い、110円(円安)になってから売ると、5円の儲け(為替差益)が得られます。逆に、100円(円高)になったときに売ると、5円の損(為替差損)が生まれるというわけです。
FXには、少ない資金で多額の投資ができるレバレッジというしくみがあります。レバレッジを利用すると、最大で資金の25倍もの取引ができます。このとき、利益が出れば25倍儲かるのですが、逆に損すれば25倍損することになります。よって、レバレッジをかけた分、ハイリスク・ハイリターンになります。一方でレバレッジをかけなければ、その分リスク・リターンは低くなります。

また、投資信託は、たくさんの投資家からお金を集めて、投資のプロが運用をしてくれる商品です。何に投資するかは、投資信託の種類や投資のプロ(ファンドマネージャー)の意向によって変わります。こまで紹介した株式や債券のほか、不動産、通貨、金などの資源に投資するものもあります。

投資信託のリスク・リターンは、「何に投資しているか」「どこに投資しているか」によって大きく変わります。

投資信託のリスクとリターンの関係

投資信託のリターンとリスクの関係
※一般的なイメージ図
筆者作成

一般に、債券より不動産、不動産より株式に投資するほうがリスク・リターンは高くなります。また、国内より外国、外国の中でも先進国(米国や欧州など)より新興国(アジアや南アメリカなど)に投資するほうがリスクは高くなります。

ポートフォリオのリスクとリターンも、この投資信託の考え方と同じです。つまり、資産に占めるリスク資産の割合が多いほど、ポートフォリオのリスク・リターンが高まる、というわけです。

リスク・リターンはポートフォリオで変わる

リスク・リターンはポートフォリオで変わる
筆者作成

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頼藤 太希

(株)Money&You代表取締役/マネーコンサルタント 中央大学客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。...

プロフィール

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