20代はどんなものにお金を使うべき?賢いお金の使い方

貯金・家計

普段のマネー相談において、この1、2年で若年層の相談が増えています。若年層を中心に将来の不安があること、一方で近年の株価上昇が背景にあることが、相談増加の要因と思われますが、20代から30代前半の筆者より若い方からの相談は、とてもうれしいものです。
今回は20代にフォーカスして、給料をもらった後の賢いお金の使い方を考えてみました。

若いうちはお金を貯めるよりも、遊ぶべきなのか?

若いうちはとにかく遊べ、という言葉、聞いたりしませんか?
筆者が社会人になりたてのころ、周辺の上司はよくこの言葉を言っていました。「私たちがあなたくらいの頃は…」と、ありがちな枕詞で始まるセリフに、筆者は共感できませんでしたし、彼女たちに付き合った結果、共感しなくて当然だと感じました。

その原因は、金融市場を含め、生きた時代の背景が違うということだと思います。
好景気に沸いていた1980年代とは違い、株価、物価上昇に賃金上昇が追いついていない、今この時代を生きる読者世代には、冷静で、保守的で、かつ強かな熱を感じます。

高級外車に乗り、ブランド品を身につけ、異性と羽目を外すことに憧れをもつ20代を見たのを思い出すのに、時間がかかってしまう今日この頃、最もすべきことのひとつとして答えるのであれば、それは「マネーマネジメント力を養うこと」です。

マネーマネジメント力とは

皆さんは働いた対価として給料を受け取り、家賃や日々の生活費に消費し、残ったお金で貯金をするのが一般的と考えているかもしれません。
しかしこれでは、「お金が主体」であり、マネジメント力はなかなか身に付きません。

入ってくるお金と出て行くお金の「量」、いつまでに入ってくるのか出て行くのかの「時間」、入ってくるお金のルートを複数もつ「脈」をコントロールできるようにする力をつけて欲しいと思います。
なんだか難しいことを言っているように聞こえるかもしれませんが、方法は3つのポイントだけです。

(1)出て行くお金を3つに分ける
生活費(消費)、投資、娯楽(浪費)
(2)入ってくるお金を1本化にしない
副業、運用益
(3)制度や税法を他人事にしない
社会保険と所得税の仕組みを知る(興味を持てないなら、詳しい人と仲良くなって教えてもらう)

まず、出て行くお金を仕分けしておかないと、よほど知能の高い人でなければ、見事に生活費と娯楽費で消えていきます。

また、投資を始めれば自然と「NISA(ニーサ)」や「iDeCo(イデコ)」などの税制優遇制度を使うことになるでしょう。日々の経済変化を実体験で感じ、高額なセミナーやハウツー本に踊らされることも少なく、結果として「おトク」なお金の使い方を習得できるかもしれません。
具体的には、「つみたてNISA」と「iDeCo」をはじめてみることを、オススメします。
自分に甘い、財布のお金がすぐなくなる、という人ほど、強制的にお金を増やす仕組み、つまり口座引き落としなどの方法を取り入れることを、オススメします。

収入面では、生涯同じ仕事を同じ場所でやり続けることが考えにくく、時代変化も激しい昨今、1箇所の勤務先からしか収入が無い状況は、リスクが高いと考えます。
そして多くの人(特に会社務めの方)が半ばあきらめ、他人事のようにしている「社会保険制度」や「税法」に関して言えば、絶対に知るべき項目です。
なぜなら、制度をきちんと知り上手くマネジメントしなければ、いくら収入を増やしたところで「ザルに水を汲んでいる」とまで行かなくても、「穴のあいたボウルに水を汲む」様なものだからです。

モノを買う以外のお金の使い道

多くの相談者は「自分だけは損したくない」という強烈な思いを持っているようですが、センスの良いお金の使い方をされる方の多くは、そういった考えはずいぶんと奥のほうに仕舞われています。

そういった方にオススメなのは、「他人のために、お金や時間を使う」事です。
お金がないなら時間でも良いのです。チャリティーやボランティアは、コンスタントに生活に組み入れることをオススメします。

筆者が自分の子供にいつも言い聞かせていることですが、お金は「手段」であり「目的」ではありません
お金を生活の「主体」にするのではなく、使い手である皆さんが主体となり、豊かな人生を切り開く糧にして欲しいと思います。

佐々木 愛子

ファイナンシャルプランナー(AFP)、証券外務員Ⅰ種 国内外の保険会社で8年以上営業、証券IFAを経験後、リーマンショック後の超低金利時代、リテール営業を中...

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