株価指数で読み解く世界の株式市場 おさえておきたい基礎知識

株式投資

株式投資の格言に「漁師は潮を見る」があります。漁師が魚を採りに行くとき、気象や潮の流れを読みながら魚が集まりそうなポイントに網を張ることで大漁を目指します。株式市場も同様に流れがあり、今後の動きを読み解くことが大切です。
今回は、おさえておきたい世界の株価指数をピックアップして紹介します。

株価指数とは

株価指数とは、株式市場全体や複数の銘柄の株価を一定の計算方法によって指数化したものです。
日本だけでなく世界の株式市場で毎営業日ごとに継続して算出しており、それぞれの国の株式市場の大きな流れを把握するのに便利です。

算出方法には大きく分けて次の2種類があります。

株価平均型

株価の平均の動きを通じて、株式市場の動きを示す。組入銘柄の株価合計を銘柄数で除して求める。

時価総額加重型

銘柄株の時価総額の変化から、株式市場の動きを示す。組入銘柄の時価総額合計を、基準となる一時点での時価総額合計と比較することで求める。

それでは、代表的な指数について紹介していきましょう。

日本株の株価指数

日本の代表的な株式指数に、「日経平均株価指数(日経平均)」と「東証株価指数(TOPIX)」があります。

日経平均株価指数(日経平均)

日経平均は東証1部に上場している代表的な225銘柄の株価をもとに算出される株価平均型の株価指数で、日本経済新聞社が銘柄を選定していることから日経225とも呼ばれています。
毎日のニュースで目にすることの多い日経平均。トヨタ自動車や資生堂など日本を代表する企業をバランスよく選んだ株価指数として常に注目されています。
※日本経済新聞 日経平均株価 https://www.nikkei.com/markets/kabu/nidxprice/?StockIndex=NAVE&Gcode=00&hm=3

東証株価指数(TOPIX)

日経平均は225社を対象とした指数なのに対し、TOPIXは東証一部の国内企業すべてを対象とした、時価総額加重型の株価指数です。
日本全体の動きを見るには良い指数ではありますが、時価総額の大きい株式の影響を受けやすいという特徴があります。
参照:JPX TOPIX https://www.jpx.co.jp/markets/indices/topix/index.html

JPX日経インデックス400(JPX日経400)

この他、過去3期すべての期で営業赤字、最終赤字、整理銘柄等に該当する企業などを除き、採用銘柄を決定する「JPX日経インデックス400(JPX日経400)」も注目を集めています。
投資者にとって投資魅力の高い会社で構成される、新しい株価指数です。
参照:JPX JPX日経400 https://www.jpx.co.jp/markets/indices/jpx-nikkei400/

海外の株価指数

アメリカの代表的な株式指数に、「ダウ工業株30種平均(NYダウ)」、「S&P500種指数」があります。

ダウ工業株30種平均(NYダウ)

NYダウは、ニューヨーク証券取引所やナスダック市場に上場している30銘柄を対象にしている株価平均型の株価指数で、ウォール・ストリート・ジャーナルを発行するダウ・ジョーンズ社が算出しています。
たった30種ではありますが、ナイキやボーイング、マクドナルドなど世界各国で事業展開している企業が多いため、世界中の注目を集めている指数です。
※INDU https://www.bloomberg.co.jp/quote/INDU:IND/members

S&P500種指数(S&P500)

S&P500種指数は、ニューヨーク証券取引所やナスダック等に上場する、代表的なアメリカ企業500社で構成された時価総額加重型の株価指数です。そのため米国市場全体の動きを把握するのに適した指数と言えるでしょう。

ナスダック100指数

全米証券業協会(NASD)が運営する、店頭株式市場に上場している時価総額上位100銘柄(金融銘柄を除く)で構成されたナスダック100指数も要チェック。
アップルやアマゾン、フェイスブックなど今をトキメクIT関連企業が多く含まれていることが特徴です。

FTSE100種総合株価指数

この他、ロンドン証券取引所に上場している銘柄のうち時価総額上位100銘柄で構成される、時価総額加重平均型の「FTSE100種総合株価指数」もおさえておきたい指数です。

まとめ

一般的に、東京・ニューヨーク・ロンドンは「世界の三大市場」と呼ばれています。潮の流れを読み取る材料として、三大市場の株式指数をしっかりおさえておきましょう。

辻本 由香

CFP、おふたりさまの暮らしとお金プランナー 企業の会計や大手金融機関での営業など、お金に関する仕事に約30年従事。暮らしにまつわるお金について知識を得るこ...

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