女性のおひとりさま、老後はいくらかかる?

老後

働き方、年収で異なる年金の金額

老後の年金がいくらもらえるかは働き方や年収によって異なります。定年退職まで正社員として働くのか、派遣社員として働くか、パートアルバイトとして働き続けるのか現役時代の収入によって老後に受け取れる年金額は異なります。ここでは収入別にどのくらい年金を受け取ることができるのか試算してみましょう。

収入別年金見込み額(単位:万円)


図:筆者作成
※22歳で社会人となり60歳まで厚生年金に加入した場合の前提
※あくまでシミュレーションですので実際の金額とは異なることがあります

平均標準報酬月額というのは毎月の給与と残業代、通勤手当などを含む金額と、賞与の1/12を合計した金額を言います。

平均標準報酬月額が20万円、年収換算すると240万円の人の場合、22歳から60歳まで厚生年金に加入したとすると、65歳以降受け取れる年金の金額は概算で1カ月10万6,700円になります。
一方、平均標準報酬月額が50万円、年収換算すると600万円の人の場合は同じ加入期間でも1カ月16万9,100円となります。

総務省家計調査の単身無職世帯の支出が約16万円ですから、年金収入だけで生活するには、現役時代平均600万円程度の収入が必要ということになります。

しかし、実際の収入は初めから高いわけではなく、年齢や社歴によって上がっていくものですのであくまで目安としかなりません。
自分がどのくらい受け取ることができるのか、今までの平均標準月額がわかれば日本年金機構のねんきんネットを使って試算することができます。

おひとりさま女性なら、最低2,500万円必要

老後のお金はいくら必要なのかを考えるときに大事なのが何歳までの生活費を準備するかです。もちろん、何歳まで生きるかは誰にもわかりませんが、最低でも90歳までの準備だけはしておきましょう。

2019年7月、厚生労働省発表の平均寿命※2は男性が81.25歳、女性は87.32歳となっています。女性は二人に一人は90歳まで生きるとされています。老後のお金を考えるのであれば、最低限90歳までの生活費は準備しておきたいものです。

家計調査報告書をもとに、65歳以降の年金収入は社会保障給付の70%、老後の支出は総支出の数値を用いて、90歳まで26年間生きた場合の老後資金を計算してみましょう。
65歳から年金を受け取ると仮定した場合、収入は、毎月約8万500円、受取る年金合計は約2,512万円。一方支出は毎月約16万2,000円、支出金額合計は約5,054万円です。

差額2,542万円は老後資金として準備する必要があります。さらにゆとりある老後を送りたい人や、老後も家賃の支払いがある人はさらに上乗せしておく必要があります。
また、病気になったとき、介護状態になったときのことまで考えればさらに300万円くらいは準備しておいた方が安心かもしれません。
※2:厚生労働省「平成30年簡易生命表の概況」

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黒須 かおり

ファイナンシャルプランナー CFP® 女性を中心に、一生涯を見守るFPとしてmoney&キャリアのコンサルティングを行う。幸せになるためのお金の知識...

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