キャッシュレス派の年間貯蓄額は83.2万円、現金派の2.4倍! その理由は?

貯金・家計

買い物の支払いは、現金派ですか? それともキャッシュレス派ですか? もしあなたがキャッシュレス派なら、現金派よりも貯蓄上手・節約上手になれるかもしれません。というのも、キャッシュレス派の貯蓄増加額は、現金派と比較して多いというデータがあるからです。

その理由を、2019年3月28日に公表されたJCB「キャッシュレスとデビットカード利用意向に関する実態調査」の結果からのぞいてみましょう。

■キャッシュレス派の貯蓄増加額は83.2万円

5回目となるこの調査では、毎回「新年度の目標」を聞いています。その回答で5回連続1位となっているのが「貯蓄」(38.3%)2位となっているのが「生活費の節約・見直し」(28.4%)です。近年は多少減ってきてはいるものの、依然として貯蓄志向・節約志向が根強いことがうかがえます。


出典:JCB「キャッシュレスとデビットカード利用意向に関する実態調査」

しかし、だからといって、みんな貯蓄ができているかといえばそうではないようです。昨年1年間で貯蓄をまったく増やせなかったという人は39.8%。約4割の人がお金を貯められていないというのです。中には500万円以上増やしたという人も1.7%いますが、残念ながら少数派。平均貯蓄増価額は57.2万円となっています。


出典:JCB「キャッシュレスとデビットカード利用意向に関する実態調査」

さて、ここからが本題です。
昨年1年間で増やせた貯蓄額を、日頃の買い物などの支払い方法で分けて見てみます。現金で支払う「現金派」と、クレジットカード・デビットカード・電子マネー・コード決済などで支払う「キャッシュレス派」の人に分けたところ、なんとキャッシュレス派は現金派の 2.4倍も貯蓄額を増やせたことがわかったのです。

具体的に増やせた金額の平均を見てみると、キャッシュレス派の男性は102.4万円、現金派の男性では45.8万円、キャッシュレス派の女性は61.6万円、現金派の女性では23.3万円となっています。つまり、男性は2.2倍、女性は2.6倍もキャッシュレス派が現金派より貯蓄できているというわけです。


出典:JCB「キャッシュレスとデビットカード利用意向に関する実態調査」

■現金派との意識の違いが貯蓄額の差?

どうして現金派とキャッシュレス派でこのような差が生まれるのでしょうか。
同調査では、平均貯蓄目標額・平均生活費削減目標額の違いについても質問しています。

平均貯蓄目標額は、現金派が178.3万円なのに対し、キャッシュレス派は325.4万円と、150万円近い開きがあります。現金派と比較して、キャッシュレス派は目標も高いのです。


出典:JCB「キャッシュレスとデビットカード利用意向に関する実態調査」

平均生活費削減目標額も同様です。現金派が14.2万円、キャッシュレス派が23.2万円となっていて、キャッシュレス派のほうが9万円ほど高くなっています。


出典:JCB「キャッシュレスとデビットカード利用意向に関する実態調査」

同調査ではこれをもって「貯蓄意識だけではなく、節約意識もキャッシュレス派のほうが高いことが明らかとなりました」とまとめています。
これらは「目標の平均値」ですから、大きな目標を掲げた人がいると、平均の数字が引き上げられてしまう可能性があります。とはいえ、その分を差し引いたとしても、確かにデータからは、キャッシュレス派の方が貯蓄意識・節約意識が高い、といえると思います。

キャッシュレス決済で現状、一番使われているのはクレジットカードです。クレジットカードは後払いですから、計画的に使うことが求められます。キャッシュレス派の人たちは、毎月の買い物を通して、きちんとしたお金の使い方を身につけていくため、貯蓄や節約の意識が自然と高まってくるのではないでしょうか。

また、同調査では触れられていませんが、単純にキャッシュレス派のほうが平均年収は高く、キャッシュレス決済を利用しやすいという現状もあるかもしれません。もしもそうだとすると今後、現金派とキャッシュレス派の貯蓄格差は、ますます広がっていくかもしれません。

■メンタルアカウンティングには注意する

BIGLOBEが行った「キャッシュレスに関する意識調査」では、現金とキャッシュレス決済で「価値の重さ」の質問項目があります。「現金1万円とキャッシュレスの1万円、よりお金として重みを感じるのはどちらか」という質問ですが、キャッシュレスと答えた人は9.1%なのに対し、現金と答えた人は56.7%と約6倍になっているというものでした。

これは、「メンタルアカウンティング」という心の罠に陥っていると言えます。メンタルアカウンティングとは、お金の入手方法・保管場所・使い方などによって、心の中でお金を勝手に分類して、扱い方を変えてしまう心理のことです。

キャッシュレス決済も現金もどちらも同じ1万円。どちらもお金の重みを同じように捉え、分類するように意識するのが大切です。

■賢いキャッシュレスの使い方

キャッシュレス決済を賢く利用するなら、キャッシュレス決済に関するニュースを日頃チェックしておいて、活用していくことが大切です。

たとえば最近、スマホで買い物ができるキャッシュレス決済アプリが多数登場していることをご存知でしょうか。PayPay(ペイペイ)・LINE Pay(ラインペイ)・楽天ペイ・d払い・メルペイなど、大手の通信会社・流通会社・銀行などがこぞって参入。各社シェア争いを繰り広げてお得なキャンペーンなどを矢継ぎ早に展開しています。これらを利用して買い物をするだけで、クレジットカードなどよりも高いポイント還元が受けられたり、割引で購入できたりします。

こうした情報を押さえておいて、自分が使えるキャッシュレス決済を選んでいくといいでしょう。よく行くお店で使える決済は? よりお得な決済は? 今持っている銀行口座を引き落とし先にできる決済は? などと考えて、今のうちに使えるようにしておくことをおすすめします。

■まとめ

キャッシュレス派は現金派よりもお金に対する意識が高いのはもちろんのこと、新しいことにも積極的にチャレンジして、お得に買い物をしているように見受けられます。それゆえ、貯蓄が増え、節約もできるようになるのです。現金派だという方もキャッシュレスを知ることで、お金を増やすヒントが得られるかもしれませんね。

頼藤 太希

(株)Money&You代表取締役/マネーコンサルタント 中央大学客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。...

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