【Z世代のマネー学】日本人の資産は20年でいくら増えた? お金の置き場所を考える

日本人の資産は20年でいくら増えた? お金の置き場所を考える
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「長期」「積立」「分散」の少額投資を実践! 投資信託がオススメ

これから投資を始めるミレニアル世代・Z世代におすすめしたいのが、「長期」「積立」「分散」を意識して、少額で投資を行うことです。長期・積立・分散は、投資の「王道」とも呼ばれる手法。リスクを抑えつつリターンを得られる方法なのです。

「長期」は、長い時間をかけて投資を行うことです。短期間での投資では、そのときどきの値動き次第で結果が大きく変わってしまいます。しかし、数十年という長い期間での投資なら、価格の振れ幅が少なくなるため、安定した運用が期待できます。

「積立」は、毎月少しずつでもいいので、一定の金額を投資に回すことです。一度にまとまった金額で買うと、高い金額で買ってしまうことも考えられます。毎月決まった金額で投資することで、価格が高いときには少なく、安い時には多く買うことができます。それによって、平均の購入金額が下がるのです。

そして「分散」は、投資先や購入タイミングを分けることです。「この会社の株がいい」と、1つしか買わないでいたら、万が一その会社に何かあったときに資産が大きく減ってしまいます。株式・投資信託・債券など、さまざまな資産に分散して投資することで、こうした心配を減らすことができます。また、日本・先進国・新興国などと、投資先の国を分けることも分散につながります。

たとえば、毎年10万円ずつ、30年間投資したとします。このとき、利息がまったくないと元本は300万円ですが、長期・積立・分散投資で年利3%の複利運用ができれば、約490万円に増える計算です。王道の投資を行いつつ、複利効果を生かすのがおすすめです。

以上を踏まえて、ミレニアル世代・Z世代の投資初心者に一番いいと思われる金融商品は、投資信託です。

投資信託は、投資家から集めたお金を運用のプロが株式・債券・不動産などに投資する商品です。金融機関によっては、100円からでも投資できます。
何に投資しているかは商品によって異なりますが、1本で数十から数百本もの商品を組み入れています。ですから、これを買うだけで分散投資ができてしまいます。あとは長期・積立で購入していけば、上でお話しした「王道」の投資が簡単に実現できるのです。

近ごろ、株式投資も少額・積立のサービスが充実してきました。ポイントを投資に回せるものなどもあります。しかし、少額で長期・積立・分散投資を行うならば、投資信託が一番です。

ミレニアル世代・Z世代は是非ともつみたてNISAを活用しよう

投資信託の積立を行うならば、ぜひ活用したい制度に「つみたてNISA」があります。つみたてNISAは、投資信託の積立投資で得られた利益(運用益)にかかる税金をゼロにできる制度です。

本来、投資では運用益に約20%の税金がかかります。しかし、つみたてNISAなら非課税になりますから、普通に投資するよりも投資の効率がよくなります。

つみたてNISAでは、年間40万円までの投資で得られた税金を20年間非課税にできます。また、投資できる商品は金融庁が定めた基準を満たす商品のみ。いずれもコストが低く、長期間かけてお金を育てやすい商品になっています。
日本に住む20歳以上の方であれば、誰でも利用できます。ミレニアル世代の方もスタートできるはずです。Z世代の方は、20歳になったらぜひスタートしてください。

なお、税制優遇制度に「iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)」があります。こちらもつみたてNISAと同じく、投資信託などを積立で購入することで、得られた利益にかかる税金をゼロにできます。また、出したお金(掛金)は全額所得控除の対象。つまり、毎年の所得税や住民税を安くすることができるのです。

しかし、原則60歳まで引き出せないことを考えると、ミレニアル世代・Z世代の若い方にとっては優先順位はあまり高くありません。まずはつみたてNISAを使った投資をスタートすることをおすすめします。

時代に合わせたお金の置き場所を考えていこう

日本では昔、預金さえしておけば大丈夫といわれる時代がありました。しかし、そんな時代は親の世代まででとっくに終わっています。ミレニアル世代・Z世代がこれからお金を増やしていくには、お金の置き場所を考えていくことが重要です。
今回紹介した「つみたてNISAを使った投資信託」もそのひとつ。ぜひ、お金の置き場所として活用してくださいね。

【ミレニアル世代のマネー学】「リターン」「リスク」という言葉を正しく理解している?

頼藤 太希

(株)Money&You代表取締役/マネーコンサルタント 中央大学客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。...

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