確定申告の時期をうっかり忘れた場合はどうすればいい?

税金

確定申告の時期に税金を納めないと「無申告加算税」と「延滞税」がかかる

期限を過ぎた申告は「期限後申告」として扱われ、所得税の全額を期限内に完納していない場合は「無申告加算税」を課せられる可能性があります。

簡単に言えば本来の所得税プラス、10%~15%のペナルティ加算があります。
ただし、申告期限後1カ月以内に提出すれば、無申告加算税は加算されませんので、申告を忘れた場合でも急いで提出をしましょう。

また、「延滞税」として、ひと月を経過するまでは年7.3%、ふた月目以降は年14.6%の額が加算されます。
延滞税に関しては、所得税納付期限を過ぎた場合、完納までの期間かかるものだと認識してください。

無申告加算税を課せられなくても、デメリットが発生する場合

無申告加算税を課せられなくても、デメリットが発生する場合があります。
例えば青色申告を行っている場合、青色申告特別控除の65万円はあくまでも期限内に申告した場合の控除額ですから、期限後提出の場合は10万円に減額されます。(その分、所得税が多くなるということです)

また、1回の期限後申告であれば疑われないものの、連続して申告期限を守らないなど、常習性が疑われるようなことをすると、当然税務署からの心象は良くありませんので、それだけで十分なデメリットと言っても良いでしょう。

医療費控除を利用する場合

医療費控除を利用する場合は、勤め先企業の年末調整では対応できませんので、必ず各自が翌年の期限内に、確定申告を行う必要があります。
控除額は以下の式で算出できます。

病院や薬局などで支払った医療費 ― 保険金など(※) ― 10万円
(※)民間の保険会社から支払われた保険金や給付金、健康保険など公的保険から支給された一時金や療養費など

ただし、所得が200万円未満であれば、以下のとおりです。

病院や薬局などで支払った医療費 ― 保険金など(※) ― 所得の5%

一般的に、1年間に支払った医療費が10万円を超えたら確定申告で税金が戻ると言われますが、所得が200万円未満であれば10万円を超えなくても、確定申告で税金が戻る可能性があります。
入院や手術などをした人は、忘れずに確認しましょう。ただし、控除額の上限は200万円です。

参照:国税庁/税務署「医療費控除は領収書が提出不要となりました

住宅ローン控除を利用する場合

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、個人が利用する控除の中でも高額な控除枠を設けられている税額控除です。
所得控除より減税効果の高い税額控除ですので、届け出の失念など無きよう、必ず申告しましょう。

とはいっても、企業にお勤めの方で住宅ローン控除の確定申告が必要なのは、適用初年度のみです。
次年度以降は、年末調整に借入金残高の証明を添付することで完了します。

2019年10月に消費増税があがったのを期に、同控除の期間が一定条件下では、10年から13年に延長されました。
控除額は、年末の借入金残高に対する計算式で、以下の通りです。

<1~10年目>
借入金の年末残高等×1%(上限40万円)
<11~13年目>
借入金の年末残高等(上限4,000万円)×1%
または
住宅取得対価等の金額-消費税額(上限4,000万円)×2%÷3
の、いずれか少ないほう

いずれも住居の用に供した日が、2019年10月1日~2020年12月31日までの場合です。
参照:国税庁「住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)

副業の収入があった場合

冒頭にお話ししましたが、昨今は副業OKの企業が増えてきていますね。
確定申告になじみの薄い企業勤めの方は、うっかり申告を忘れる事があるかもしれません。

給与として企業から支払われた報酬は「給与所得」であるのに対して、副業によって個人で受け取った報酬は「事業所得」「雑所得」等種類がいくつかあります。
いずれにしても給与でない限り、年末調整という行為が発生しませんので、得た報酬に関して申告、および税金の計算を各自が行わなければなりません。

ただし、確定申告をしなくてもよい人というのがあって、俗にいう「20万円ルール」です。給与所得者が、年間(1月1日~12月31日)に受け取った「所得」が20万円以下であれば、申告はしなくても良いというルールがあります。
収入ではなく所得ですので、必要経費を差し引いた後の金額が20万円以下か、20万円超なのかが、ポイントです。
参照:国税庁「給与所得者で確定申告が必要な人

最後に、確定申告を忘れていた場合に漏れている可能性がある税金について確認しましょう。

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佐々木 愛子

ファイナンシャルプランナー(AFP)、証券外務員Ⅰ種 国内外の保険会社で8年以上営業、証券IFAを経験後、リーマンショック後の超低金利時代、リテール営業を中...

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