増える現代の固定費 給与との比較で考える負担感

貯金・家計

固定費が上がっているけれど給与は上がっていない

住居費や通信費など、主だった固定費は上昇していましたが、給与は上がったのでしょうか。
ユーコープ「家計簿から見たくらしの40年」(2013年7月発行)、「家計簿から見たくらしの45年」(2018年8月発行)をあわせて参照して確認すると、ボーナスも平均した一か月あたりの収入(世代別家計簿集計(総平均)30代)は、2002年59万8,748円、2017年67万1,311円と、7万2,563円の増加となっています。給与の金額自体は、上がっているように見えます。
しかしこの間、非消費支出(税金・健康保険・厚生年金・保険など)が13万4,813円から17万6,128円と4万1,315円増えています。それに加えて、固定費のうち通信費は1万1,300円から1万7,523円で6,223円増に、教育費は3万3,734円から5万1,526円で1万7,793円増加しているため、「固定費が上がっているけれど給与は上がっていない」「固定費の上昇に給与が追いついていない」といえるでしょう。

給与と固定費の変動(30代)


出典:ユーコープ「家計簿から見たくらしの40年」(2013年7月発行)、「家計簿から見たくらしの45年」(2018年8月発行)

固定費を節約して家計を改善

固定費は毎月出ていくので、見直すとその後からの支出が改善され、家計が抜本的に改革できることになります。

固定費の中で削減効果が高いのが通信費の見直しです。例えば、大手キャリアでもプラン変更で安くなる場合もありますし、格安スマホに切り替えると現在の契約に違約金があった場合でも数カ月で元がとれるほど安くなることもあります。ショップで現在の利用状況を確認し、削減できるかどうか検討しましょう。

教育費は、少子化が進んだことも増加の要因といわれます。しかし、習い事も上限を決めないと際限がなくなってしまいます。「習い事は3つまで」などルールを決めて選びましょう。市民プール教室、区民体育館体操教室など、なるべくお手頃な公的機関の習い事を利用するのもひとつの手です。

また、生命保険料も大きな固定費です。難しくて放置しがちな項目なので、必要性を再確認していきましょう。どうしてもお手上げであればプロのFPに有料相談してください。無料相談は、保険勧誘目的であることが多いので保険加入を誘導するお話になりがちです。

まとめ

固定費は、歴史とともに変化しています。給与はさほど増えていないにも関わらず、スマホなどひと昔前にはなかった固定費がかかるようになっています。そのうえ、少子高齢化に対応するために社会保険料や税金の負担も増えているのです。増える現代の固定費を抑えるためにも、ぜひ節約方法を知っておきましょう。

稲村 優貴子

ファイナンシャルプランナー(CFP?)、心理カウンセラー、ジュニア野菜ソムリエ 大手損害保険会社に事務職で入社後、お客様に直接会って人生にかかわるお金のサポ...

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