銀行の預金利率の推移からわかる 未来のお金の育て方

円預金

2つの利息の計算方法、単利と複利とは?

単利とは、利息を元本に組み入れず、元本部分に対して利息がつくものです。一方、複利とは、預金から得られた利息を元本に組み入れて利息がつきます。

利息のつき方

たとえば、定期預金では「元金成長型」などと呼ばれていることが多いのですが、元金に利息を加えて、再投資するものが複利にあたります。
単利と複利を比べてみましょう。

元金1万円 年利1%で運用した場合

「複利効果」とは、運用で得た収益や利息を再投資することで、利息が利息を生んでふくらんでいく効果のことをいいます。時間をかけていくと、何もしなくてもお金が働いて、稼ぐ金額がどんどん増えていきます。
短期間では大きな差が生じなくても、長期になると複利の効果が大きくなるという特徴があります。

お金が倍になる期間がわかる「72の法則」

利息の計算は難しいと感じる方でも、複利で運用してお金を倍にするために必要な、おおよその年数を把握できる法則があります。「72の法則」と呼ばれています。
計算式は次のようになります。

【72の法則】 複利の場合

72÷金利=お金が2倍になる期間(年)

たとえば、100万円のお金を複利で運用した場合

1%で運用した場合:72÷1=72 約72年必要
3%で運用した場合:72÷3=24 約24年必要
6%で運用した場合:72÷6=12 約12年必要

以上のようにお金が倍になる期間が求められます。

お金を貯めたいと考えている人なら、利子や利益を再投資することで大きな違いが出てくることを知れば、貯蓄や投資をする際の心構えが違ってくるでしょう。

資産形成には貯蓄と投資が必要

何もせずに、ただ銀行の預金口座に預けて数パーセントもの利息がつくのであれば、資産運用を取り立てて考える必要は乏しいでしょう。
しかし、現状はそうではありません。預金金利も引き下げられて、もらえる預金利息も少なくなっています。

たとえば、みずほ銀行の普通預金の預金利率は0.001%、定期預金(1年)は0.002%です(2020年8月現在)。100万円を定期預金に預けても、税引き後79円の利息しかありません。これでは、資産をふやしていくことは難しいでしょう。

人生のなかでは、結婚や就職、子どもの教育費やマイホームの購入といった、まとまった資金が必要なライフイベントがあります。また、老後の生活についても具体的に考えておく必要があります。

日々の生活費や用途の決まったお金は、すぐに使うことができるよう、流動性が高い普通預金や定期預金が便利です。
しかし、今すぐに必要ではないけれど、中長期的に将来のために少しずつふやしていくには、貯蓄だけではなく、投資にも目を向けましょう。株式や投資信託、不動産投資などを利用すれば、値上がりや利益の分配を通じて、預貯金にくらべて利益を生み出す可能性が高くなります。

投資の代表的なものに、株式、債券、不動産、金などがあります。さらに少ない投資金額からできる投資信託があります。各商品について確認しましょう。

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池田 幸代

株式会社ブリエ 代表取締役 証券会社に勤務後、結婚。長年の土地問題を解決したいという思いから、宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)を取得。不...

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