部屋の片づけで目指すべき「3つのS」は家計管理にも応用できる

部屋の片づけで目指すべき「3つのS」は家計管理にも応用できる
マネーケア

片づけのプロ・ライフオーガナイザーである筆者は、現状に合わせた目指すべき「3つのS」をクライアントへの提案に盛り込んでいます。家計管理も部屋の片づけ同様に、現状に合わせたステップが必要。今回は筆者の失敗談とともに、現状に合わせた目指すべきステップ「3つのS」を紹介します。

部屋の片づけで目指すべき「3つのS」とは

部屋の片づけを進める際は、現状に合わせたステップが必要です。ここからは、部屋の片づけの際に使うステップ「3つのS」について見ていきましょう。

現状に合わせたステップが必要

部屋の片づけをするとき、理想の状態を明確にするゴールの設定はとても大切です。しかし、理想と現実のギャップが大きすぎる場合、まず何をするべきかが具体化できず、片づけ自体上手くいかないこともあります。

最終的に理想の状態にすることが目的だとしても、目の前の作業はスモールステップにすることが大切です。

ステップが必要な理由

片づけにおいて現状に合わせたステップが必要な理由を、もう少し詳しく解説しましょう。例えば、理想の状態が「モデルハウスのような、モノが全て収納されていてスッキリした北欧インテリアの部屋」だとします。しかし現状は、床も見えないくらいモノが散乱して、どこに何があるか分からない部屋。

このように理想と現状のギャップが大きい場合、いきなり北欧インテリアのファブリックや家具を揃えたとしても、理想の部屋にはならないですよね。

まずは部屋に散乱しているモノを把握して整理し、収納場所を決めて収めることから始めます。その次に収納用品などを揃え、常に片づいた状態をキープできるようになってから見た目のインテリアを整える、というステップを踏むと、時間はかかりますが理想の状態まで近づけるでしょう。

ステップの目安「3つのS」

片づけに必要なステップを「3つのS」で分かりやすく表現することがあります。「3つのS」とは、ストレスフリー・スッキリ・ステキという3つの言葉をローマ字にした際の頭文字のS。

床が見えないくらいモノが散乱していて日常生活に支障が出ているなら、まず目指すべきは「ストレスフリー」な状態。モノを整理して収める場所を決め、出し入れがしやすい状態を作ります。

モノを収める場所が決まり、片づいた状態がキープできたら収納用品を揃えて「スッキリ」した状態を目指します。

「スッキリ」の状態がキープできるようになって初めて、インテリアにこだわって見た目を整える「ステキ」を目指す段階になるのです。

現状が既に「スッキリ」であれば「ステキ」を目指しても大丈夫ですが、日常生活に支障が出ているような状態なら、まず目指すべきは「ストレスフリー」ということになります。

筆者の実体験|利益が出ても管理に失敗した?

片づけでは、現状に合わせたステップ「3つのS」が必要ですが、家計管理においても現状に合わせたステップが必要だと感じます。筆者は以前、大きな理想を抱き過ぎて管理が上手くいかなかったという経験がありました。

約10年前に父から株式を相続

今から約10年前、実父が他界した際に株式を相続しました。それまで投資や資産運用の経験はなく、全く知識もないまま「みずほフィナンシャルグループ(8411)」20,000株が自分の名義になったのです。

それまで投資に興味はあっても資金がなかった私は、「これを機に資産運用をして、将来の教育資金や老後の資金が賄えないかな?」とボンヤリと考えるように。

運よく利益が出る

全く知識がないまま始まった株式投資でしたが、利益が出ることが続きました。1株1,648円で取得した「イデアインターナショナル(3140)」100株が、株式分割を繰り返して4倍の400株に増えたり、1株2,000円で取得した「東宝(9602)」の株価が3,200円に高騰したりと、取得と売却のタイミングがよかったようです。

どちらも株主優待目的で取得した株式でしたが、たまたま運よくホットプレートBRUNO(ブルーノ)の流行や映画「アナと雪の女王」の大ヒットが重なり利益が出ました。

家計管理や資産運用に活かせなかった理由

運よく利益が出た株式投資でしたが、その後の家計管理や資産運用に活かすことはできませんでした。その理由のひとつは、片づけのステップのように現状に合わせたステップを踏まなかったためだと考えています。

現状は投資の知識も目的もない状態なのに、理想は「運用してどんどん資産を増やす!」と意気込んでいたため、何をどうすればよいのか分からないままだったのです。

結局利益が出た株式は、車の購入や子どもの受験のタイミングで売却していつの間にか減ってしまいました。運用して資産を増やすのが理想でも、現状では行き当たりばったりの家計管理で必要な資金を株式の利益から補填しなければならない自転車操業だったのです。

今になって思い返せば、自分の知識や資金といった現状に合わせて、次に目指すステップを考えたりプロに相談したりすると結果は違ったのかもしれないですね。

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井手本 亜希

元・汚部屋住人で片づけのプロ。整理収納アドバイザー1級。 幾度となくリバウンドを繰り返したのち、思考と空間整理の資格「ライフオーガナイザー®」を取得。 モノ...

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