急騰から大暴落! 米 ゲームストップ株で何が起きた?

マネーケア

2021年1月中旬以降、アメリカのゲームストップ株が大きく値上がりし、その後大暴落したことが報じられました。大きな利益をあげた投資家がいる一方、損失をこうむった投資家もいます。株式投資では値動きの先行きを読むことで、利益を得ることができますが、読み間違えれば損をしてしまいます。

今回のゲームストップ株が急騰から大暴落をした原因は何だったのでしょうか。そして、なにが影響したのでしょうか。日本でも今後起こりうることなのかどうかも気になるところです。
今回は、アメリカのゲームストップ株で何が起きたのか、詳しく見ていきます。

ゲームストップ株騒動の概要

まず「ゲームストップ」とはアメリカの企業名です。主にビデオゲームの新品・中古ソフトを販売する店舗を運営していて、2020年はコロナ禍の影響もあったためか、業績は落ち込んでいました。
2020年は、9月までは10ドルに届かない株価で推移しており、同年4月3日には2.57ドルまで下げていました。
9月以降は10ドルを上回るようになりましたが、それでも12月31日の終値は18.84ドルで幕を閉じました。

それが、2021年1月13日には、前日の終値19.95ドルから38.65ドルまで一気にあがります。約2倍もの値上がりでしたから、利益を確定した投資家もいたかもしれません。その後、株価の値上がりはさらに大きくなっていきました。
1月27日には380.00ドル、1月28には一時483.00ドルまで急騰したのです。

過去52週(約1年)の最安値は2020年4月3日の2.57ドルですから、そこから9カ月でなんと約188倍も値上がりしたということです。
日本円で100万円の投資をしていたら、1億880万円になる計算。大変な値上がりだったことがわかります。

しかし、483.00ドルの高値を付けた1月28日、株価はその日のうちに大暴落し、終値は193.60ドルだったというのですからさらに驚きです。
その後も株価はどんどん下がり、2月2日には74.22ドル、2月19日は38.50ドルまで暴落しました。
2月25日には一時184.68ドルまで値上がりしましたが、今後いくらの株価で落ち着くのか注目されています。

ゲームストップ株騒動の影響、損失

これだけ株価が急騰しその後大暴落をすれば、その影響も決して小さくありません。
今回の値上がりの原因には、多くの個人投資家が買ったことが挙げられます。今後も値上がりする、と見込んで株を買った個人投資家が、高値で売れば利益を得ます。

株式の売買で利益を出すには、安く買って高く売ることです。
たとえば、株価が3ドルの時に100株買うとしたら、300ドルです。
株価が350ドルに値上がりした時に売れば、3万5000ドルになりますから、大きな利益を出すことができます。
株を買ってその後売る、という流れは、株式売買の基本的な方法です。

しかし、株式売買には、先に売ってその後買い戻す、という方法もあります。
先に売る、と言っても、「持っていない株は売れないのでは?」と思ってしまいますが、これは「空売り」という確立された投資手法です。

空売りは、信用取引のひとつ。
空売りをする投資家は、証券会社に担保資産(現金・株)を差し入れ、証券会社から株式を借りて売ります(借りている間は金利手数料が発生します)。その後買い戻しますが、株価が売った時より買った時のほうが安くなっていれば、差額が利益になります。
高く売って安く買う、という取引が成立するので利益が出るのです。空売りは株価の下落局面で効果的とされています。

逆に、空売りをした後予想に反して株価が上がった場合には損失が出ます。仮にレバレッジ(担保資産以上のお金で投資)をかけて空売りした場合は、その損失は株価の上昇分より大きくなりますから、損失が想定以上に大きくなる可能性があります。

空売りの場合は先に売り、買い戻すわけですから、株価が値上がりして、差し入れ担保の資産額以上に損失が膨らんだら、追加で担保を差し入れなければなりません。これを「追証(おいしょう)」と言います。追証ができなければ、その損失は実現せざるを得ないので、大損害が出てしまうというわけです。

今回のゲームストップ株の場合も、機関投資家が株価下落を見込んで空売りをしたところ、逆に株価が急騰して追証ができなかったまたは追証を諦めたため、機関投資家は大きな損失を出すことになりました。
逆に、値上がりを見込んで株式を買った個人投資家は大きな利益を出すことができました。

では、どうして個人投資家はゲームストップ株を買ったのでしょうか。

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タケイ 啓子

ファイナンシャルプランナー(AFP)。 36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務...

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