急騰から大暴落! 米 ゲームストップ株で何が起きた?

急騰から大暴落! 米 ゲームストップ株で何が起きた?
マネーケア

急騰・急落が起こった原因は「SNS」

個人投資家はゲームストップ株を買った理由は、SNS(ネット交流サイト)での呼びかけがあったからです。
SNS「レディット」に、個人投資家のコミュニティ「ウォールストリート・ベッツ」があります。
そのサイトに、「買い支えよう」、「金持ちファンドとSNSメンバーの闘いだ」など、ゲームストップ株などの購入を呼び掛ける投稿が相次ぎました。

空売りをした機関投資家(=金持ちファンド)は、値下がりすると予想して空売りをしたものの株価は急騰。損をするとは分かっていても、一定の株価で買い戻す損切をせざるを得ない状態になります。
買い戻すタイミングを逃せばさらに値上がりし、損失が大きく膨らむ可能性があるからです。
そうして機関投資家が買い戻せば、買いが増えるためさらに株価があがる状況に拍車がかかることになりました。

機関投資家は、大きな資金力を武器に利益を生んでいます。市場への影響力も大きいものです。その陰で、個人投資家は資金や運用スキルに不足し、大きな利益を生み出しにくい、といった不満があったのかもしれません。
お金持ちは、お金持ちゆえにさらに儲かり、貧乏人はさらに貧乏になる。そんなアメリカ社会の分断と不満が背景にあったのではないかと考えています。

しかし、株価の急騰は長くは続きませんでした。
個人投資家が株式の売買をしたのは、ネット証券の「ロビンフッド」などでしたが、1月28日に相場の乱高下のため、ゲームストップ株など急騰する銘柄の取引を停止したからです。
この取引制限のため個人投資家はゲームストップ株を買えなくなり、その結果同日には株価が44%も急落、193.60ドルで終わったことは先ほど書いたとおりです。

個人投資家の売買が制限された一方で、機関投資家は自由に売買ができました。
そのため、個人投資家だけが規制されたとの批判が起こったのは当然でしょう。株価の乱高下が落ち着いても、個人投資家の不満の火種はくすぶったままになりそうです。

ゲームストップ株が急騰したのは、個人投資家の間で「株を買おう」という呼びかけがSNSで巻き起こったからです。
そのような行為は、「相場操縦」にあたるのでしょうか。

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タケイ 啓子

ファイナンシャルプランナー(AFP)。 36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務...

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