満期保険金とは? 知っておきたい税金と保険の種類のこと

保険

保険には契約を満了するときに満期保険金が支払われるものがあります。ある程度の期間積み立てるため、満期保険金はまとまった金額となり、税金がかかります。
ただ、満期保険金にかかってくる税金は、契約の仕方で金額が大きく変わります。うっかり、税金を多く支払わないためにも、契約形態の違いをしっかり理解しましょう。

満期保険金とは何か

保険の保障期間には、一生涯を保障する終身型と、10年、20年というように一定期間を保障する定期型の2つがあります。このうち、定期型の保険期間が終了するときを満期といい、その時支払われるものが「満期保険金」となります。

保険は万が一を保障するためのものですが、満期保険金があると、お金が貯まるという魅力も追加されます。
このような、保障と満期保険金を備えた保険の代表的なものに「養老保険」や「学資保険」があります。

養老保険と学資保険について

満期保険金を受け取ることができる「養老保険」や「学資保険」について、詳しい説明をします。

①養老保険

養老保険は、あらかじめ10年、20年というように期間が定められています。この保険期間内に高度障害状態もしくは死亡した場合には、死亡保険金が支払われます。
無事に満期を迎えたときは、満期保険金を受け取ることになります。

一般的な契約では、死亡保険金と満期保険金は同額です。
このことより、生きていても、万が一に死んでしまっても、一定額の保険金を受け取ることができるため、「生死混合保険」と呼ぶこともあります。

②学資保険

学資保険は、子どもの教育資金を準備するための保険です。一般的に毎月決まった額の保険料を支払い、教育資金が必要となるタイミングで進学祝い金や満期保険金を受け取ることができます。
学資保険の契約者は父母(場合によっては祖父母)で、被保険者は子どもになります。

万が一、保険期間中に契約者(父母または祖父母)が死亡したり、高度障害状態になったりしたら、以後の保険料の支払いは免除されます。
そのうえで、子どもが無事に進学できるよう、保障は継続されるようにできており、進学祝い金や満保険金を受け取ることができます。

満期保険金受取人の違いでかかる税金が違う

満期保険金を受け取った場合、税金がかかるケースがあります。
ポイントになるのは、保険料を負担する人(契約者)と満期保険受取人が同じになるのか、異なっているのかという違いです。

上記に紹介した養老保険や学資保険も、なるべく税金がかからないようにするのであれば、保険料を負担する人(契約者)と満期保険受取人が同じになるようにしましょう。それでは、具体的な違いについて説明をします。

保険料を負担する人(契約者)と満期保険受取人が同じの場合

保険料を負担する人(契約者)と満期保険受取人が以下の表のように同じであれば、受け取る満期保険金は「一時所得」になり、所得税がかかります。


表:筆者作成

実際に、一時所得として受け取った満期保険金の所得額を計算してみましょう。
税金は所得に対してかかるので、所得額が小さいほうが税金は安くなります。

計算式は以下のとおりです。

一時所得の金額=(満期保険金-払った保険料の総額)-特別控除50万円
総所得に含める所得額=一時所得の金額×1/2=総所得に含める額

例えば、保険期間が20年、毎月の保険料が2万円、満期保険金が550万円という保険に加入されていた場合の税金を計算してみましょう。
払い込んだ保険料の総額は、20年×12カ月×2万円=480万円です。

一時所得の金額=(550万円-480万円)-50万円=20万円
総所得に含める所得額=20万円×1/2=10万円

会社員の場合、給与所得や一時所得10万円を合計したものが総所得となります。他にも所得があれば合計して、課税対象額を計算します。
所得税の税率は5~45%と幅広く、所得が多ければ多いほど税率が上がることになります。税率が10%の人なら、満期保険金の分の所得税は、10万円の10%で1万円になります。

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舟本 美子

「大事なお金の価値観を見つけるサポーター」 会計事務所で10年、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として14年働いたのち、FPとして独立。 あなたに合った...

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