健康になると保険料が安くなる 健康増進型保険とは

保険

これまでの生命保険は「リスクに備える」ものというイメージが強かったのですが、これからの生命保険はリスクに備えるだけではありません。生命保険会社各社は「リスクを減らす」ことをサポートする「健康増進型保険」に参入しはじめ、注目が高まっています。
健康になると保険料が安くなる健康増進型保険について解説します。

健康増進型保険とは

健康増進型保険は、日々の健康増進活動を行い禁煙やウォーキングの歩数、健康診断結果などで保険料が変動したり、還付金が支払われたりします。これまでの加入時の健康状態で保険料が決まる仕組みではなく、健康増進活動により影響があります。なお、万が一の時に支払われる保険金はこれまでの仕組みと変わりありません。

生命保険会社にとっては、加入者が健康になることで支払う保険金を減らすことができ、加入者にとっては健康的に日常生活を過ごせる「健康寿命」を延ばすことへのモチベーションが高まる上に、保険料が安くなるメリットがあります。
また、少子高齢化にともない不安視されている「国の医療・社会福祉費」につていても削減に繋がる可能性もあり、これからの日本にとっても期待したい保険ともいえます。
それでは、生命保険会社各社の「健康増進型保険」の特徴を具体的にみていきましょう。

各社の健康増進型保険の特徴

健康増進型保険と一口に言っても生命保険会社によって、保険料の割引率やサービスなどに違いがあります。

◎住友生命「Vitality(バイタリティ)」
健康状態をオンラインでチェックしたり、健康診断を受けたりすることでVitalityポイントが獲得できます。また、いつもより多く歩いたり、スポーツイベントに参加したりすることでもVitalityポイントが獲得できます。
獲得した累計ポイントで判定されるVitalityステータスに応じて、2年目以降の保険料(割引率・割増率)が毎年変動します。割引率の上限は30%、割増率の上限は10%で、2年目以降はステータスに応じて前年の保険料から割引率2%~割増率2%となります。また、さらにステータスに応じて、フィットネスジムの月会費、スポーツ用品、ヘルシーフード、ホテル予約の割引などの特典(リワード)が受けられます。
※2018年9月1日より提供開始(一部については提供開始日が異なる)
※Vitality利用料月額864円(税込)

◎東京海上日動「あるく保険」
健康づくりを応援する医療保険で、1日平均8000歩以上歩くと、保険料の一部が返ってきます。
ウェアラブル端末とスマートフォンのアプリを利用して歩数を測定し、1日平均8000歩以上歩くと、半年ごとの達成状況に応じて、2年後に所定の健康増進還付金を受取れます。ウェアラブル端末を持ってない人は、新規契約時に無償で借りることもできます。
「あるく保険」は健康増進を図るためのウォーキングという行為を評価対象としていて、保険料の割引ではなく「還付」が行われるのが特徴です。

◎損保ジャパン日本興亜ひまわり「リンククロス じぶんと家族のお守り」
お給料のように毎月の生活費が受け取れる収入保障保険に「健康☆チャレンジ!制度(保険料変更)」があります。
契約後、所定の期間内に喫煙状況または健康状態などが改善され、保険会社が定める基準に適合した場合に、保険料が割引になるとともに健康チャレンジ祝金を受け取れるチャンスがあります。

加入を検討する際は、健康プログラムにかかる利用料が必要になる保険会社もありますので、加入前にはきちんと確認しましょう。

健康増進型保険が適しているのはこんな人

健康のためにランニングやウォーキングなど健康増進につとめはじめた人や、日々健康が気になりながらもなかなかスタートができていない人にとっては、モチベーションの維持やアップにつながります。
健康増進につとめることで、保険料が割引されたり、還付金や祝い金を受取れたり、サービスが提供されたりすることで、生命保険の「リスクに備える」だけだったイメージが変わるのではないでしょうか。

まとめ

万が一の場合に備え保険に加入しリスク対策をしておくことも大切ですが、健康で元気に
生活できるよう自分自身で健康増進活動につとめることも最も大切です。
健康増進型保険は、健康意識のモチベーションを高め健康増進活動により病気を未然に防ぐことへの促進につながり、これからの時代に合った保険といえるでしょう。

今関 倫子

ファイナンシャルプランナー 外資系保険会社勤務中に、AFP資格取得後、独立系FP事務所に転職。ファイナンシャルプランナーとして活動し、女性を中心に年間のべ2...

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