【Z世代のマネー学】投資信託の種類と投資信託の選び方

投資信託の種類と投資信託の選び方
マネーケア

①SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド

米国の資産運用会社、バンガード社の「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」(VT)というETF(上場投資信託)に投資することで、「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」という指標と連動をめざす投資信託です。この指標は、日本・世界の大中小型株約9000銘柄の値動きをもとにしたものですから、世界経済の成長とともにお金を増やす期待ができます。

バンガード社のVTの経費率は年0.07%。SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドを利用しても信託報酬は年約0.13%ととても安く抑えられています。2022年1月末に発売したばかりですが、すでに57億円超の資金が流入。今後が期待できる投資信託です。

・純資産総額:57.49 億円
・基準価額: 9,487円
・信託報酬(税込):年0.1338%

②ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)

国内債券・国内株式・先進国債券・先進国株式の4資産に25%ずつ均等に投資するバランス型の投資信託です。半分は債券ですので、比較的リスクは控えめです。バランス型は、運用で資産の配分が偏ってきても自動的に直してくれるので、メンテナンスの手間がかからないのもメリットです。

・純資産総額:185.16 億円
・基準価額:13,671 円
・信託報酬(税込):年0.154%
・トータルリターン:5.96%(5年・年率)、38.66%(設定来)

③eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

国内・先進国・新興国の株式と債券、国内外の不動産(リート)の計8資産に12.5%ずつ均等に投資するバランス型の投資信託です。株式と債券が37.5%ずつ、不動産が25%ですので、「4資産均等型」よりもリスクは高め。低コストでさまざまな資産に投資できます。

・純資産総額:1305.53 億円
・基準価額:12,800 円
・信託報酬(税込):年0.154%
・トータルリターン:6.74%(3年・年率)、30.67%(設定来)

20代ならつみたてNISA、30代はiDeCoも取り入れよう

投資信託は、なるべくコストのかからないものを選ぶことをお話ししました。そのうえでさらに気を配りたいのが、金融機関のコストと税金です。

投資信託は、店舗を構える銀行や証券会社、ネット上で営業するネット証券やスマホ証券で購入できます。しかし、商品によってはどの金融機関で購入するかで手数料が変わる場合があります。

たとえば、ある投資信託を10万円買うとします。A証券では販売手数料無料なのに対してB証券では2%の販売手数料がかかる場合、B証券では購入時点ですでに2000円が引かれてしまうのです(多くの場合、10万円のなかから支払います)。すると、運用のスタート時点でA証券では10万円、B証券では9万8000円ですから、A証券のほうが有利ですね。投資信託自体はどの金融機関で購入しても同じものですから、金融機関選びは大切です。

おすすめはネット証券やスマホ証券。販売手数料が安く(無料に)設定されていることが多いですし、パソコンやスマホで簡単に取引や資産の確認ができるので楽です。

また、投資信託で得られた利益には20.315%の税金がかかります。税金は本来支払うルールとはいえ、コストに違いありません。この税金をゼロにできる制度に「つみたてNISA」と「iDeCo」があります。

つみたてNISAは、年間40万円までの投資で得られた利益を最大20年間にわたって非課税にできる制度。毎月口座からお金を引き落とし、自動的に投資信託を購入する「積立投資」でコツコツと投資をしていきます。つみたてNISAで購入できるのは、金融庁の基準を満たした投資信託。手数料が安く、中長期でお金を増やすことが見込めるものが揃っています。いざお金が必要になったときには、途中で売却して引き出すことも可能。ネット証券などでは100円からでもスタートできる、投資初心者でも利用しやすい制度です。

iDeCoは毎月5000円以上の掛金を支払って運用し原則60歳以降に受け取る、老後の「自分年金」を作る制度です。iDeCoでは投資信託のほか、定期預金や保険なども選ぶことができますが、お金を増やしたいならば投資信託一択です。

iDeCoでは、つみたてNISAと同様運用益が非課税にできます。そのうえ、毎年の掛金が全額所得控除となるため、毎年の所得税や住民税が減らせます。さらに受け取り時にも税金の優遇が受けられます。つみたてNISAよりも節税のメリットが大きいのが特徴です。

つみたてNISAもiDeCoも、誰にでもおすすめの制度ですが、Z世代、とりわけ20代のうちはまだ投資できるお金もそれほど多くないでしょう。ですから、まずはつみたてNISAを優先しましょう。金融商品にばかり投資して、自己投資がおろそかになるのも考えものです。若いうちは、自己投資にお金をかけることも大切です。

30代になったら、つみたてNISAを上限まで活用したうえで、iDeCoにも取り組むようにするといいでしょう。

投資信託の選び方のポイントから、つみたてNISA・iDeCoといった税制優遇のある制度までお話ししてきました。Z世代のみなさんの最大のアドバンテージは長期間投資できること。今から早速つみたてNISAをスタートさせ、お金を増やしていくことをおすすめします。

頼藤 太希

(株)Money&You代表取締役/マネーコンサルタント 中央大学客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。...

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