【Z世代のマネー学】毎日積立vs毎月積立、有利なのはどっち? 検証してみよう

毎日積立vs毎月積立、有利なのはどっち? 検証してみよう
マネーケア

銀行にお金を預けても、お金はほとんど増えません。ミレニアル世代・Z世代と呼ばれるみなさんがこれからお金を増やしたいならば、投資をすることが欠かせません。

積立投資といえば、毎月1回決まった日に商品を購入するイメージの方が多いでしょう。しかし最近、毎日(毎営業日)商品を購入する「毎日積立」のサービスがでてきています。そうなると気になるのは「毎日積立と毎月積立、どっちが有利なのだろう」ということ。
そこで今回は、毎日積立と毎月積立ではどちらが有利なのか、実際に検証してみました。

前回:アノマリーってなに?行動ファイナンスとの深い関係

20年間の投資で増えたお金はどのくらい?

まず、20年間の積立投資でどの程度お金が増えたのかを確認しておきます。
下の図は、2001年8月1日〜2021年7月末までの20年間、毎月末に3万円ずつS&P500という株価指数に投資した場合の資産総額を示したものです。

毎月3万円ずつS&P500に投資した場合(2001年8月〜2021年7月末)

毎月3万円ずつS&P500に投資した場合
Yahoo!ファイナンスのデータをもとに筆者作成

20年間、毎月3万円ずつ投資をするのですから、積立元本の合計は720万円。それに対して、資産総額はなんと約2270万円にも達しています。20年間の投資によって、実に1550万円もの利益を出せているのです。
途中、一時的に資産総額が積立元本を下回っているところはありますが、それでも、S&P500の上昇にともなって大きく値上がりしたことがわかります。

なお、S&P500は米国の株価指数。米国のニューヨーク証券取引所(NYSE)やナスダック(NASDAQ)といった証券取引所に上場している株の中から、規模の大きな500社のデータ(時価総額)を活用して算出している株価指数です。
S&P500は、米国株式市場の時価総額の大部分、約80%を占めているため、米国市場全体の値動きを大きく反映している指標といえます。
私たちが購入できる投資信託のなかにも、S&P500と同様の値動きをめざすインデックス型の投資信託がたくさんあります。ですから、今から購入をスタートしたら、20年後はもしかしたらお金が大きく増やせているかもしれませんね。

「毎日積立」のサービスは毎月積立より有利と言われている

投資の王道、長期・積立・分散投資は、いずれも投資のリスクを抑えながら、お金を堅実に増やす方法。このうち積立投資は、あらかじめ決まった金額ずつ、一定のタイミングでコツコツ金融商品を購入する方法です。

金融商品の価格は変動します。値上がりすることもあれば、値下がりすることもあります。値下がりしたタイミングで購入して、値上がりしてから売却できれば理想的ですが、それが簡単にできたら苦労はありません。
実際は、値下がりしても「まだ値下がりするかもしれないから買わない」「買おうとしたら値上がりしてタイミングを逃した」などといったことが山ほどあるのです。

しかし、積立投資ならば、こうした感情を挟まず、淡々と投資ができます。しかも、定期的に一定額ずつコツコツ投資をすることによって、価格が安いときにはたくさん買い、逆に高いときには少ししか買わなくなります。これをドルコスト平均法といいます。
ドルコスト平均法を利用すると、平均購入単価が徐々に下がります。そのため、少ない値上がりでも利益が出るようになりますし、大きく値上がりした場合の利益もより多くできるのです。

最近は、「毎月」よりも高い頻度で積立投資ができるサービスがあります。
たとえば、SBI証券では投資信託の積立投資を毎月のほか「毎週」「毎日」行うことができます。毎週ならば月曜から金曜の好きな曜日、毎日ならば毎営業日に積立投資の買い付けができます。

また、楽天証券やマネックス証券でも「毎日」積立投資が可能です。「毎日積立によって、これまでの毎月積立よりもきめ細かく分散投資ができるようになる」などと紹介されています。
確かに、金融商品の価格は日々変化しますので、毎日積立で買付を多くした方が、ドルコスト平均法の効果を得やすいように感じます。

果たして、毎月積立と毎日積立では、投資の結果にどのくらいの差があるのでしょうか。

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頼藤 太希

(株)Money&You代表取締役/マネーコンサルタント 中央大学客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。...

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