宝くじは税金がかかるの? 宝くじの税金事情を解説

税金

税金はすでに納付済み

「宝くじに税金はかかるのですか?」
この様な質問を、筆者はたびたび耳にしますし、同じ類の質問はインターネットの質問サイトで、毎年のように上がっています。幸運にも、きっと高額当選をされた方が「脱税になったら嫌だな、どうしよう」と投稿したに違いないと、筆者は勝手に想像をしているのですが…。

さて、この質問の答えは、実はすでに回答済みのようなものです。
前項で「宝くじの収益金の出口」について、お話しましたね。当選金に充てられる額は、全体の約47%、次に多い約38%の収益は、「販売元の地方自治体へ納められる」のです。

これはいわば「税金」と同じもので、1つの商品に対する税率で言えば、トップの紙タバコ(約63.1%)※1、ガソリン(約38%)※2に続く、「ほとんど税金でもっていかれるモノ」の代表格なのです。つまり、すでに購入額には「税金が含まれている」のです。

ですので、宝くじの当選金に関しては、皆さんが所得税や住民税を払う事も、消費税を払う事もありません。
※1:財務省「たばこ税等に関する資料」
※2:JAF「自動税制改正に関する要望活動」

共同購入の場合の注意点

宝くじは公式サイトで、共同購入が可能です。グループをつくり、購入金額に比例した分配金の払い出しを行うことで公平を保つことができます。
たとえば、グループ全体で100枚のくじを買い、自分は10枚分の代金を払ったとしたら、分配率は100分の10ですから10%です。10億円が当たったら1億円が受け取れるというわけです。

出典:宝くじ公式サイト「ネット購入 共同購入とは」

共同購入時にはいくつか注意点があります。まずは当選金の「受取り」についてです。前項までに、宝くじの当選金には税金がかからないことを説明しましたね。

しかしこの当選金は、「受取人」として受け取った本人にのみに有効ですので、たとえばその当選金を別の誰かに渡した場合は、税務署の判断で「贈与」と見なされ、贈与税の対象になることが考えられます。
サイト外で、購入時に契約書などを取り交わさずに購入金を出し合い、代表者が購入し、代表者が当選金を受け取ったのち、各人に分配した場合などが考えられます。

贈与税は受け取る側の計算で、年間基礎控除額110万円までは非課税ですが、110万円を超えた額から、金額に準じて控除額や税率が決められています。
仮に1,000万円の当選金を、受取人を介して受け取った場合は、306万円の贈与税を納税しなければならないかもしれません。

(1,000万円-110万円)-125万円×40%=306万円

購入金額と分配率がそぐわない場合もまた贈与税の対象になるかもしれません。
たとえば、購入額は全体の4分の1程度の額であるのに対して、配当金を2分の1程度受け取った場合は、差額の4分の1程度を贈与されたと解釈もできます。
課税対象かどうかは、最終的には税務署の判断になりますが、購入時に契約書を交わす、当選金の受取りは購入額に比例して行う、受取人は各人とする、などで、余計な税金を支払わなくて済むような工夫は必要でしょう。

当選したらどう使う?

宝くじが当たったら…、誰もが一度は妄想にふけったことがある夢物語。まとまったお金があって初めて経験出来る事や、買える物が、世の中にあるのは事実です。
お金のアドバイザーとしては、単なる消費ではなく得たものや経験を、今後の人生で更に活かせるかどうかに着目して欲しいと思います。

まとめ

宝くじには、購入金額の中にすでに税金が含まれていると、わかりましたね。
税金を既に含んだ収益の中から「払戻し」によって、当選金の支払をしているわけですから、受取りの際に税金が再度かけられるということもありません。
ただし、一度受取った当選金を、家族も含め他人に渡すと「贈与税」の対象になるかもしれませんので、ご注意を。

佐々木 愛子

ファイナンシャルプランナー(AFP)、証券外務員Ⅰ種 国内外の保険会社で8年以上営業、証券IFAを経験後、リーマンショック後の超低金利時代、リテール営業を中...

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