20代で投資スタート。毎月の投資額はどう設定すればいい?

20代で投資スタート。毎月の投資額はどう設定すればいい?
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毎月の投資額はどう設定する?

では、投資額はいくらがちょうどいいのでしょうか。

オススメは、毎月一定額を投資にまわすこと。投資をスタートしたら、暮らしの一部として習慣化したいものです。つまり、習慣化できるくらいの金額です。

ネット証券なら100円から投資ができますから、自分なりに続けられる金額を設定するのがベストです。

そこで、まずは毎月の収入と支出を把握します。

収入は給料ですが、この場合は手取りで考えます。そして、手取りの収入から、さまざまな名目の支出があります。収入から支出を差し引いて、いくら残りますか?

●収入-支出=プラス →給料日前でも残金に余裕がある

銀行口座に給料が振り込まれると、そこからいろいろな引き落としがあったり、現金を引き出して使ったりします。そして次の給料日前には口座に残金があり、毎月ある程度一定の金額ずつ増えている、という場合。

その残金は、普通預金口座に入れっぱなしにしないで別口座に移しましょう。

別口座は、貯蓄用の口座です。生活費と貯蓄をわけることは、資産管理の第一歩。そして、貯蓄は「預金」と「投資」にわけます。

預金は、何かあった時にすぐに使える緊急予備資金として準備しておくもので、目安は生活費の半年分くらい。投資とは目的が違いますので、預金と投資、どちらも必要です。

たとえば、毎月5万円くらい余裕があるなら、次の給料日を待たず先に貯蓄口座に移します。3万円を預金に、2万円を投資にしてもいいでしょう。1カ月でも早く運用したほうが運用期間を長くできますので、面倒がらずに先取り貯蓄を習慣にしたほうがおトクです。

貯蓄の目安は収入の20~25%。そのうち、預金3:投資2、とすると無理がないと思います。

●収入-支出=トントン →毎月なんとか乗り切っている

給料日前には、銀行口座の残金はほぼゼロ、という場合。収支のバランスはとれている、と言いたいところですが、貯蓄ができていないのであればむしろ危険です。何かあったら一気に経済的ピンチになってしまうでしょう。

支出に節約できるところはないか、しっかり見直して貯蓄分を確保しましょう。

そして、支出を減らした分を貯蓄にまわします。余ったら貯蓄、と考えているとつい使ってしまいがちなので、給料が入ったらすぐに貯蓄口座に移します。

金額の目安はさきほどと同じ、手取り収入の20~25%くらいです。預金と投資では、預金のほうが優先順位が高いので、まずは預金を生活費半年分くらい確保してから、投資を組み合わせるといいでしょう。

●収入-支出=マイナス →クレジットカードやローンでしのぐことがある

手持ちの現金がなく、クレジットカードやローン、キャッシングなどを使うことがある場合は、収入よりも支出が多くなっています。

投資で一発逆転はできません。クレジットカード、ローン、キャッシングの利用を封印して、収入の範囲で支出ができるようになるまで、現金主義でいきましょう。

支出の総額が手取り収入よりも少なくなったら、その差額を貯蓄します。

貯蓄の金額は、手取り収入の20~25%くらいが目標です。手取り収入が25万円なら、5~6万2500円。とはいえ、いきなり高すぎる目標を立てて挫折しては元も子もありません。毎月5000円でもいいので、少額でも、毎月続けることが大切です。

20代におすすめの投資は?

20代の投資は、長期の視点が必要です。株、投資信託、債券などを組み合わせて、手堅い運用をしていきましょう。

●株式

株式投資は、株式市場に上場されている株式の売買をして、リターンを得る投資です。安く買って高く売れば、差額が利益になります。

また、株式を保有することで、配当金を得て利益とすることができます。さらに、条件に合えば株主優待を受けられることも利益となります。

今後、成長していきそうな企業を見つけ、投資することで株主として利益を得つつ、企業の成長を応援していくことができます。

自分が興味を持っている業界の企業なら、成長性の判断もしっかりできそうです。

●債券

債券は、国が発行する国債、地方公共団体が発行する地方債、企業が発行する社債があります。債券は、いわば借金の借用書元本と利息の支払いが約束されているので、株式と比べるとリスクが低いことがメリットです。

しかし、その一方リターンも小さくなります。

●投資信託

投資信託は、投資家から集めた資金をまとめて、運用の専門家が投資をする金融商品です。投資信託ごとに、国内外の株式や債券などへの投資を組み合わせているので、リスクをおさえながらもリターンが期待できます。

日経マネーの調査によれば、2020年の運用益がプラスだった人の投資手法は、国際分散投資が20%ともっとも多く、次いで、日本の高配当株・優待株投資、先進国株投資が続きました。

国際分散投資なら投資信託、日本や先進国の株なら株式投資で運用できます。

非課税制度「NISA」「iDeCo」を利用する

投資によるリターンをできるだけ増やすには、値動きをしっかり見通すことだけではなく、非課税制度を利用することも有効です。

つみたてNISA(積立ニーサ)や一般NISAは、運用で得られた利益に対して税金がかかりません。通常は、20.315%の税金が差し引かれるので、手元に入るのは利益の約8割です。

たとえば、10万円の利益がでた場合、通常なら税金が差し引かれて約8万円しか得られませんが、つみたてNISAや一般NISAなら、10万円がまるまる自分のものになります。

しかも、値動きの予想は不確実性がありますが、非課税制度は確実です。

しっかり利用して、せっかくの利益を減らさないようにしたいですね。

非課税制度には、iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)もあります。iDeCoもまた、利益に税金がかかりませんが、さらに、掛金が全額所得控除になり、受取時にも税金の優遇があります。

ただし、iDeCoは基本的に60歳まで引き出しができませんので、60歳までのマネープランを立てた上で活用するといいでしょう。

まとめ

20代で投資をスタートすると、複利の効果が生かされ、リスクを少なくでき、経験を積むことができる、といったメリットがあります。

毎月の投資額の目安は、手取り収入の8~10%です(手取り収入の20~25%の5分の2)。ただし、収入と支出のバランスによっては、いきなり収入の10%を投資にまわすのではなく、まずは支出の節約、預金を優先して、長く続けられる投資スタイルを身につけるようにしてください。

タケイ 啓子

ファイナンシャルプランナー(AFP)。 36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務...

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