【Z世代のマネー学】株式投資で将来の10倍株・100倍株を探すポイント

株式投資で将来の10倍株・100倍株を探すポイント
マネーケア

株式投資で多くの方が悩むのが銘柄選びです。お金を増やすためにはこれから値上がりする銘柄を買う必要がありますが、3800社もあるなかから値上がりする銘柄を選び出すのは大変なものがあります。

今回は、株式投資で将来の10倍株・100倍株を探すポイントを解説します。

▶︎前回:会社四季報には何が書いてある?値上がりするお宝銘柄を見つけ出すには

【大前提】株式投資3つのポイント 長期投資が基本

株式投資で、どの銘柄が値上がりするかをぴったり予想するのは、プロでも難しいものです。しかし、値上がりしそうだと狙い目を判断することは、誰でもできます。狙い目となる3つのポイントを紹介します。

株式投資のポイント1:「長期的な潮流」を考える

株式投資というと、短期的な目線で値上がりする銘柄を予想してしまいがちです。しかし、そうした投資は当たり外れが大きくなってしまいます。株式投資をする際により大切なことは、長期的な潮流を考えることです。長期的な潮流とは、世の中の流れが変わらない、元に戻ることがないということです。

たとえば、「日本の人口問題」といえば、少子高齢化、人口が徐々に減っていることを指しますが、「世界の人口問題」は逆で、人口が増え続けていることです。世界の人口は現在約78億人。それが2030年に85億人、2050年に97億人、2100年には109億人と、今からさらに30億人以上増えると見られているのです。この流れは不可逆的で、よほどのことがない限りは変わることがないでしょう。

世界の人口が30億人以上増えると聞いて「人口が増えるんだ」で終わりにしないでください。株式投資の狙い目を見つけるためには、「人口が増えたら、どんな問題が起こるのか」を考えてみましょう。

大きなところでは地球の資源枯渇です。その代表格に食料問題があります。今でも食料が足りないといわれています。それなのに、さらに人口が増えたら、もっと食料が足りなくなってくると考えられます。となると、この課題を解決する事業を展開する業界や会社は有望だと考えられます。

食料問題を解決する打ち手は色々とありますが、例えば、今の農業をもっと効率化するという目線があります。機械や農薬の改良や、スマート農業の拡大により、たくさんの農作物がとれるようになるかもしれません。そこで「農業機械や農薬を作っているのは?」「スマート農業に取り組んでいる会社は?」と探してみると、いい銘柄が見つかるかもしれません。

また、日本は高齢化がもっとも進んでいる国です。年齢も、不可逆的なものです。世界的にも高齢化は進んでいますが、日本は高齢化のトップを走っています。ということは、日本で成功した高齢化対策のビジネスは、世界でも成功する可能性がある、というわけです。

高齢者は、一般に若い人よりお金をもっています。その高齢者が求めている商品・サービスは何かと考えると、たとえば医療、健康、美容、介護、ヘルスケア…といった分野が連想できるのではないでしょうか。たとえ歳をとっても、「長生きしたい」「若々しくいたい」「キレイになりたい」という欲求は変わらず持っているもの。日本でこうした分野で成功したら、世界でもきっと通用するでしょう。こうした目線は日本株だけでなく、外国株を探すときにも役立ちます。

他にも長期的な潮流が変わらない分野はあります。どれが上がるかと予想するのではなく、「不可逆的な流れ」で考えることが大事なのです。

株式投資のポイント2:「消費者目線」で商品やサービスをチェックする

株価が上がる理由をひとことでいうと「需要があるから」です。

しかし、そもそもなぜ需要が生じるのでしょうか。それは、その会社が今後成長するから、成長の見込みが高いからに他なりません。その成長を判断するのは、売上です。そして売上は、私たち消費者が商品やサービスを買うから上がるものです。

ということは、身の回りにある商品やサービスを消費者目線で見て考えるのがとても大切、ということになります。

たとえばコンビニは、今から数十年前にはまだ「こんなお店は流行らないのでは?」といわれていました。しかし今ではすっかり私たちに身近な存在になっています。これは、消費者目線で考えると便利だからに他なりません。

消費者目線で商品やサービスを考える際に大事なのが「付加価値が高いか」。つまり世の中にとって必要かという視点です。たとえばディズニーといえば、ディズニーランドやディズニーシーなどの遊園地がありますが、それだけでなく、映画などもたくさん出ていて変わらず人気を博しています。ディズニーのグッズを売るお店もお客さんがたくさん入っています。ディズニーがなくなった世界は、なかなか想像できません。なぜそれほどまでに人気があるのかというと、消費者にとって付加価値が高いからです。

短期間・中期間のトレンドならば「街なかの行列」「商品の売り切れ」「ダウンロード数急増でサーバー停止」といった身の回りの光景からも見つけられます。ただ「行列ができているな」ではなく、「行列ができているということは、売上が好調で儲かっているに違いない」と考えます。

また、テレビのCM、YouTubeのCM、Twitterの広告なども要チェック。CMや広告は、ただ単に出すわけではありません。出せば儲かると考えているから出すのです。会社は、これからもっと世の中に出ていこうとするときにCMや広告を出します。つまり、これから売上が一層伸びる可能性がある、というわけです。

実際、そうした会社を見つけたら、売上や株価の動向をみるクセをつけておくと、チャンスに巡りあえるかもしれません。

株式投資のポイント3:「営業利益率」の推移を見る

売上と並んでもうひとつ、見ておきたいのが営業利益です。営業利益とは、売上からその売上を得るためにかかった売上原価と販管費を引いた、「本業のもうけ」を表す利益です。利益というと、会社に残る最終的な利益(当期純利益)をイメージする方が多いと思いますが、大切なのは営業利益です。本業で儲かってはじめて企業が成長し、その結果株価が上昇していくからです。

一歩進んで、営業利益を割合で見る「営業利益率」に注目しましょう。営業利益率は、営業利益÷売上×100(%)で算出できます。売上と営業利益が同じ割合で成長していたら、営業利益率は一定になります。それでも優秀ですが、売上に比べて営業利益の伸びが大きくなると、営業利益率は上がっていきます。

営業利益率が上がるということは、経費をかけないで売上が上がっているということです。会社の成長の基盤が固まり、今後成長のペースが拡大していくことが期待できます。営業利益率を企業間で比較して、銘柄選びに生かしましょう。

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頼藤 太希

(株)Money&You代表取締役/マネーコンサルタント 中央大学客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。...

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