「信用売り」を取り入れると株売買の効率UP?株主優待もおトク

「信用売り」を取り入れると株売買の効率UP?株主優待もおトク
マネーケア

株式投資を始めると、必ずといっていいほど高確率で出会う手法「信用取引の売り」。多くの投資家が取り入れている手法のひとつです。しかし、その仕組みは複雑で難しく、理解するのに時間がかかることもあるでしょう。
そこで今回は、そんな信用売りの仕組みを詳しくご紹介します。リスクや人気の理由も合わせて見ていきましょう。

信用口座とはなに?条件によっては開設できない!?

「信用取引」での注文は、信用口座を開設する必要があるため、口座の種類を知っておく必要があります。まずは口座の種類を見ていきましょう。

通常、初めて証券口座を開設する人は、「一般口座」「特定口座」「NISA口座」しか開設できません。それぞれの特徴は、以下の通りです。

・一般口座…特定口座やNISA口座で管理していない口座。年間利益を確定申告する必要がある。
・特定口座…源泉徴収ありとなしが選べる。源泉徴収ありは、年間利益を証券会社が計算し、納税してくれるため確定申告不要。源泉徴収なしは、年間の損益の計算は証券会社が行ってくれるが、確定申告は自らする必要がある。どちらも事前の申し込みが必要。
・NISA口座…一定の期間と一定金額内の運用利益が非課税になる。事前の申し込みが必要。

これらは初めて投資をする人でも開ける口座とあって、手軽に開設できるのが見てわかりますね。一方、信用口座の概要は以下の通りです。

・信用口座…開設には証券会社の審査が必要。投資経験、資産の総額などの条件によっては開設ができない。

上記を見てわかるように、条件によっては口座が開設できないようになっています。さらに、「投資経験1年以上」を条件にしている証券会社もあり、その場合は必然的に初心者の信用口座の開設ができません。その理由は、信用口座を使って取引を行う「信用取引」にありました。では一体、その仕組みはどうなっているのでしょうか。

「信用売り」の仕組みとメリットを理解しよう

現物取引にはない複雑な仕組みで成り立っている信用取引。どのような仕組みで、どんなメリットがあるのかを見ていきましょう。

現物では「買い」から、信用では「売り」から

一般口座、特定口座、NISA口座では、現物取引のみになり、欲しい株などの銘柄を「買う」ことから投資が始まります。しかし信用取引では買うことから始められるのはもちろん、「売る」ことから始めることもできるのです。

私も最初はまったく理解できず、「なんで株を持っていないのに売れるの?売った株を決済したいときは、買うの?」などハテナがたくさん浮かびました。そこでたどり着いたのが、私なりの解釈です。「信用売り」の仕組みを、ネットショップのオーナーに例えて見ていきましょう!

・現物取引の仕組み…商品を売るために、まず仕入れます(現物買い)。仕入れた商品が売れます(現物売り)。
・信用取引の売りの仕組み…仕入れより先にネットに商品を載せて販売します。そして商品が売れます(信用売り)。商品が売れたため仕入れます。仕入れた商品を購入者の元に届けます(買戻し)。

現物取引は一般的でシンプルなのに対し、信用取引の売りは複雑ですね。もちろん、最初にネットに載せる売値は、予想仕入れ値より高値を設定しておくでしょう。しかし、売れた後に仕入れをするため、もしかすると売値より高額で仕入れることになる可能性もあります。そうなると、赤字になってしまいますね。

このように、信用取引は“赤字のリスクが現物取引より大きくなる”のが特徴です。

信用取引のメリット!現物ではできない自分の資金以上の取引ができる

信用口座では、証券会社からお金や株を借りて取引を行います。自分の手持ち資金でしか売買ができない現物取引に対して、信用取引では証券会社から借りたお金で自分の資金以上の取引ができるのです。=現物では出すことのできない、大きな利益を生める可能性があるということ。

しかし、証券会社から借りたお金=借金です。借りたものを返せる範囲の取引を心掛けたいですね。

なぜ「信用売り」は投資家に人気なの?

私が出会った多くの投資家は、信用売りを実践していました。そしてそのほとんどの人が、「信用売りは、利益が出せる投資法だ」と言っていたのです。でも、なぜそんなに投資家から信用売りが支持されているのでしょうか。私なりに考えてみました。

「買い」と「売り」を同時にできるため利益効率が良い

前章でお伝えしましたが、現物取引では「買い」しか行えない取引に「売り」のパワーが追加されます。現物取引では、「今後株価が上がっていくだろう」という銘柄に投資するのに対し、信用取引は「今後株価が下落していくだろう」という場面にも投資できるからです。そのため、効率的に利益が出せます。

株価の下落局面に強い

株価が下落しそうなタイミングで信用売りをしておくと、下落で利益を出すことができます。また、株価の上昇は上下を繰り返しながらゆっくり上昇するのに対し、下落は一気に急落することがほとんど。そのため、上昇を気長に待つよりも、下落で一気に信用売りを仕掛ける方が利益を出せるのです。

私が見た中では、長期的に大きな利益を出している人ほど、上手に信用取引を取り入れていました。そして、そんな投資家に共通していたのが、信用取引を行うときの資金管理は、現物よりも徹底しているということです。

信用取引は大きな利益を出せる手法なので、投資家の人たちはみな、大きな損失を受けるかもしれないということをしっかり理解して売買している印象でした。上手に取り入れられれば、信用取引はメリットが大きいといえそうです。

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marunon

2018年に投資をスタートさせた3児の母。 資産運用を通してお金の基礎知識をつけたいと思い、2022年にFP2級を取得。 マイペースに継続できる投資を心掛け...

プロフィール

監修者: 千見寺 拓実

株式会社インヴァランス 1994年生まれ。静岡大学卒業。2017年に株式会社インヴァランスに入社。 2級ファイナンシャルプランニング技能士

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