2022年度から高校の家庭科で「投資教育」開始! 未成年でもできる投資には何がある?

2022年度から高校の家庭科で「投資教育」開始! 未成年でもできる投資には何がある?
マネーケア

投資は何歳からできる?

学校で投資を習ったら、「投資してみたい」と考える高校生がきっと増えるでしょう。とはいえ、未成年でできる投資には、制限があります。主な投資が何歳からできるか、表にまとめました。なお、下記は一例で、金融機関によって取り扱いが異なる場合があります。

各投資商品と年齢


図:筆者作成

証券会社や銀行の口座は、多くの場合未成年でも開設可能。極端にいえば0歳でも開設できます。未成年者の口座を未成年口座といいます。
ただ、未成年口座だけを開設することはできず、親権者(法定代理人)もその金融機関に口座を開設し、未成年口座を開設することに同意する必要があります。

とはいえ0歳、あるいはまだ幼い子どもが投資の判断を下すのは実質的に不可能です。ですから、満15歳になるまでは、子どもの代わりに親権者が売買を行います。
満15歳以上になれば、自分で取引ができるようになります。15歳といえば、ちょうど高校生になる年齢ですから、今後投資教育が進めば、自ら投資をスタートさせる高校生も出てくるかもしれません。

上の表のうち、債券・株式投資・投資信託・金は、年齢制限なしで投資できます。一方、株の信用取引・FX・先物・オプションといった、比較的リスクの高い商品には投資できません。外貨預金も、為替変動リスクを見越して、原則20歳以上としている金融機関が多くなっています。不動産も、未成年はそもそも契約できませんし、ローンを組むこともできません。

運用益にかかる税金が非課税になるNISAは、ジュニアNISAのみが対応。毎年80万円まで投資できます。ただ、ジュニアNISAは2023年をもって終了します。ジュニアNISA終了後も、20歳になるまでは金融商品を非課税で保有できますが、2024年以降、未成年者はNISAを使った投資ができなくなる点には注意が必要です。一般NISAやつみたてNISAができるようになるのは、20歳になってからとなります。

そして、節税しながら老後資金を運用で増やすiDeCoは、原則として20歳にならないと加入できないのですが、例外として厚生年金の被保険者であれば15歳から加入できます。たとえば、中学・高校を卒業後に会社員・公務員になった場合には、20歳未満でも厚生年金の被保険者ですから、iDeCoに加入できます。

これからは投資がより身近な社会に

多くの日本人は、お金についての教育を受けずに大人になります。ですから、金融リテラシーが身についていないのも仕方ないのかもしれません。しかし、昔と同じように預金していても、お金が増えていかないのも事実です。お金を増やしていくのに、投資は欠かせない時代なのです。そんな時代に高校での投資教育がスタートすることで、将来に向けて自分の資産を増やそうと考える人が増えると考えられます。

未成年でも証券会社や銀行などに口座を開設することで、投資ができます。これからの高校生には、投資がより身近なものになっていくでしょう。もしかすると「投資しないなんてもったいない」と子どもに言われる日がくるかもしれませんね。

執筆者:ファイナンシャルプランナー(AFP)頼藤太希

頼藤 太希

(株)Money&You代表取締役/マネーコンサルタント 中央大学客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。...

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