夫婦のお互いの収入を知らないカップルは3割以上! 家計はどうなる?

貯金・家計

家計の「見える化」は必要だが、夫婦円満には適度な距離感を

夫婦間でお互いの収入事情を知らないと、どのような影響があるでしょうか。
相談者の中でもっとも多いのは、「将来(老後)の生活設計をしたいが、今のままの生活を続けていいのかが不透明で、不安」という意見です。
しかし、妻である相談者が、夫婦のお金を効率よく運用して増やしたい、今の生活を続けると今後どうなるかシミュレーションしてほしい、と筆者の元を訪れても、世帯収入がわからない限り中途半端な設計になってしまいます。

そもそも既婚未婚問わず、相談者が有料相談に訪れるのは、「将来に対する不安」から、今何ができるか、何をすべきか確認する為だと、筆者は認識しています。その試算の為に、現在の収支と将来の予測値をなるべく正確に知る必要があります。
夫婦のお金の相談であれば、夫婦それぞれの収入や資産状況を分析することが不可欠なのです。

お互いの資産状況を知らないままにしておくと、家計の問題が先送りになり、効率の良いお金の使い方ができないまま時間を過ごしてしまう、機会損失が発生する可能性が非常に高くなります。「現状を知る、見える化する」という事が、問題解決のためには何より重要だと思います。

とはいえ、夫婦間でお金の事情を知らないのは、日常生活において、夫婦といえども一定の距離を保つ効果があり、「干渉しすぎないことで、円満になる」という良い結果になる事も、筆者は理解しています。(余談ですが、筆者は独身です、パートナーができたらきっと夫婦別財布にすると思います)

実際に同じアンケートの中で、夫が「夫婦の貯蓄額を完全に把握している」という人を除いた1538名に「夫婦関係の満足度合」を質問したところ、1(満足度低)~5(満足度高)の分類では次のような結果になりました。
夫婦関係を良好に保つには、必ずしも夫婦のお金の事情をお互いが完全に把握している必要はないのです。


出典:ゲンナイ製薬「夫婦の収入と貯蓄額に関するアンケート調査」(サンプル数:1917名/対象:既婚女性)

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佐々木 愛子

ファイナンシャルプランナー(AFP)、証券外務員Ⅰ種 国内外の保険会社で8年以上営業、証券IFAを経験後、リーマンショック後の超低金利時代、リテール営業を中...

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